摂食嚥下勉強会(4)「食事介助の基礎技術」

現在取り組んでいる 摂食嚥下実技研修 において、 これまで実際の食事や直接訓練を行う前の準備段階における実技として 「食事時のポジショニング(ベッド編車椅子編)」「ベッドサイドでのスクリーニング」と 学んできましたが、今回はいよいよ「食事介助」の実技研修が実施されました。

摂食嚥下実技研修(4)「食事介助の基礎技術」の様子-1

食事介助は、対象者の心身機能・運動機能・介助の程度など、個別の対応や工夫が必要となる奥が深いものですので、 今回はその基礎となる技術について学びます。

まず講師の方から、食事介助をする上で必要なことと、今回行う事の説明がありました。

  • 安全かつ食事に集中できる環境調整を行う
  • 適切なポジショニング
  • 食事の配置場所
  • 適切な食具の選択
  • 五感をフル活用させる介助
  • 安全安心効率的な介助
  • 食事形態や物性を考慮した介助

環境調整は、私たちが普段食事をする時と同じように、 顔や手を洗って目が覚め、口の中を清潔にし、排泄をし、食事をする場所に移動し、 食事を準備する音や匂いを感じる、というように、安全かつ食事に集中し食欲が沸く(食事をするための心と脳の準備をする)ということでした。

食事の配置場所は、利用者様から食べ物が見えるように配置しながら介助者も操作しやすい位置を意識する、 食具は、様々なスプーンの特徴と活用方法や、視覚情報提供とすくいやすさを考慮した食器とはどのようなものか、などを学びました。

そして最も印象に残ったのは、

  • 目で見て、触れて、匂って、聞いて、味わってという五感に常に刺激を与えながら脳刺激からも摂食嚥下行動を支援する
  • 安心感を与えつつ安全に食べてもらうスプーン操作や一口量調整
  • 介助者側が食事をするリズムをつくり快適に食事を摂取できるペース
  • 咀嚼の必要有無、とろみの有無などにより摂食動作が異なることを考慮したスプーン操作と食事を置く位置

などが、食事介助の際の一連の動作に含まれており、 すべてが食事を摂取する上でのサポートになっているということでした。

摂食嚥下実技研修(4)「食事介助の基礎技術」の様子-2

実際に自分たちで介助者役と利用者役をやってみると、どの角度で介助されると快適なのか不快なのか、 どの形態をどの位置に置くと咀嚼や嚥下の動作に移行しやすいのかなどがよくわかりました。

利用者様の状態によってはすぐにすべてを実践できるとは限りませんが、 ひとつひとつの配慮は難しいことではないものなので、利用者様に より安全に楽しい食事をご提供することで 食事を喜びと感じていただけるよう、早速出来ることから実践していこうと思います。