「口から食べる支援の実践」事例報告会

第2期「摂食嚥下プロフェッショナル」 養成研修の最終カリキュラムとなる「口から食べる支援の実践」事例報告会が開催されました。

実践事例報告会の様子-1

摂食嚥下プロフェッショナル養成研修の一環として、食事をする上で課題を抱える利用者様に対して3月に初回評価を行っています。 そして、今回の中間評価の時点でどのような変化があったのかや、今後の展開を含めた内容が報告されました。

初回評価

この利用者様は食事意欲はある方なのですが、次のような課題がありました。

  1. たまに痰貯留が見られる
  2. 自力摂取だが非常に食べこぼしが多い
  3. スプーンを落とすことがある
  4. 低栄養状態で体重が減少傾向
実践事例報告会の様子-5

そこで、口から食べるバランスチャート(KTBC)※を用いて初回評価を行いました。

※ NPO法人 口から食べる幸せを守る会(KTSM)により考案されたツールで、 口から食べるための包括的で多面的な食支援スキルとして、観察と実践からアセスメントと支援方法を導きだすことができます。

NPO法人 口から食べる幸せを守る会

支援内容

評価結果から強みと弱みの部分を確認し、課題を分析した上でプランを立て、プランをもとに支援を行いました。 ここでは、その一部をご紹介します。

項目アセスメント・プラン
呼吸状態自己喀出しやすい環境設定
認知機能(食事中)食事前の覚醒の促しと食事が見えやすいポジショニング
嚥下意識的な嚥下の促し、嚥下動作を阻害しないポジショニング
姿勢・耐久性椅子での座位保持及び耐久性を評価
食事動作安定した食事動作ができるポジショニング、細グリップを評価
食物形態お茶はとろみ無を評価、極刻みの摂取が可能であれば形態変更を検討
栄養MNA(簡易栄養状態評価表)での低栄養評価

中間評価

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その結果、中間評価の時点では次のような変化があり、毎日自力で全量摂取できる状態にまでなられています。

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項目初回評価時中間評価時
食事環境車椅子椅子
食べこぼし多量ほぼなし
栄養状態体重減少傾向体重微増

今後へ向けて

この事例を通して学んだことを、他の多くの利用者様の支援にも活かしていけるよう期待しています。

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