7月4日、 「認知症プロフェッショナル」(紹介ページはこちら)研修 も5回目となり、より具体的な内容になってきています(第2回目の様子)。
とはいえ、忙しい業務の合間を縫って研修に参加しているわけですから時には眠くなる方も...
今回は眠くならずに参加できるような仕掛けを行いながら研修を進めました。
本当の気持ちを読み取る
どのような方でも、感情のまま会話をする場合と、本音を隠した会話をする場合があります。 介護・医療の場面でも、利用者様やご家族様にどれだけ本音で語っていただけているかを、 表情や声のトーンなどで判断していきます。
まずは「感情を聴く」という姿勢で相手の感情を受け入れ、支援に活用していきます。
安心できる声かけや、心が穏やかになる言葉を選ぶなどを心がけた会話の中で、
様々なサインや「はっ」としたメッセージを読み取っていきます。
そこで、表情を見せないで声だけで判断してみよう!と実践してみると、みなさん難なくクリアされました。
普段のケアの再現
次に、利用者様役と職員役で普段のケアの再現をしてもらいました。 場面は、帰宅願望があり、夕方になると荷物をまとめて徘徊をするという設定です。
利用者様役にはあらかじめ「納得できるまで職員の声かけに従わないように」とお願いしてあり、
職員役には「普段と同じ対応をしながら利用者様役を椅子に座らせる」という指示を出します。
利用者様役は納得できないのか、数回廊下を歩き、職員を突き飛ばす場面もありました。
最後まで激しい抵抗があり、日頃から自宅に帰りたいと思う利用者様の心のうちを見たような気がしました。
徘徊する利用者様の安全を守るためには
認知症ケアでは切り外すことが出来ない「リスクマネジメント」ですが、
今回は「車椅子に抑制する」かどうかについてを話し合います。
あらかじめ設定してある判定役・肯定派・否定派に分かれ、相手を納得させるだけの根拠をチームでじっくり検討します。
意見をまとめて、いざ出陣!!
肯定派・反対派ともに意見を発表します。
応援部隊(チームメンバ)の意見の発表の後、判定役の2人が真剣に審議します。
肯定派
- 骨折を起こしてしまう危険が高く、更にADLが低下してしまう
- 立ち上がるたびに対応できない
- 見守り出来ない
- 病院受診等の費用が発生する
反対派
- 抑制は職員本位の考え方である
- 利用者様の意思を無視している
- 車椅子に抑制することでADLを下げてしまう
- 車椅子にむりやり座らせようとすることで、よけい暴れてしまう可能性がある
判定役
- 無理やり車椅子に座らせることで利用者様の尊厳を傷つける可能性もあることから、今回は否定派の意見を取り入れる
- あくまでも状況を確認しながら対応することが重要
という結果となり...反対派の勝利!!
なかなか興味深い意見も多数あり、参加者はそれぞれに得たものがあったようでした。
今回はそれぞれの役割を資料に記載しておき、自分の意見とは違う内容を話すなど、 業務に疲れた心身をフルに使って参加してもらいました。 研修参加者の皆様、お疲れ様でした。