藤島一郎.脳卒中の摂食・嚥下障害.第2版、
医歯薬出版、2005、p.19-29
戸嶋病院リハビリテーション科 と 島津乃荘 機能訓練指導員 の主催で、「セラピスト勉強会」を開催しました。 8月6日のテーマは「第1回 摂食・嚥下勉強会」と題し、シリーズで行っていくなかでの第1回目です。 セラピストだけでなく、看護師、介護士、ケアマネジャー、生活相談員等、計17名の参加がありました。
第1回目となるこの日は、「摂食・嚥下の基礎知識」として、嚥下機能のメカニズムを中心に学習しました。
知識のある専門職員は復習に、その他の職員はこれまで知らなかった知識を得る機会になり、 実際の食事介助場面にも活かしていける内容となりました。ここでは、その一部をご紹介します。
嚥下障害とは
水や食べ物を飲み込めなくなったり、飲み込んだものが肺のほうへ行ってしまうことをいいますが、 飲み込む前の段階である「食べ物の認識」や「口への取り込み」「そしゃく」などで障害が起きて 食べられないこともしばしばあり、それらを含めた広い意味で「摂食・嚥下障害」と呼びます。
嚥下のメカニズム
普段何気なく行っている食事ですが、「食べ物を飲み込む」ということは、実は様々な器官が上手に機能して初めて出来る複雑な動作なのです。
摂食の始まり
- 食べ物を認識すると、食べ物を受け入れる準備が始まります(唾液・胃液の分泌など)。
- 口の中へ食べ物を取り込みます(開いた口を閉じる)(図1)。
嚥下の始まり
- 口の中でそしゃくして飲み込みやすい形になったら舌の運動で奥へ移動し(図2)、咽頭へ送られます(図3)。
- 気道につながる蓋が閉じられて気管へ入り込む(誤嚥)ことを防ぎながら(図4)、一気に食道へと送り込まれます(図5)。
- ぜん運動によって食道から胃へと運ばれます(図6)。
嚥下障害と診断されたら経管栄養しかないのか
嚥下障害といってもその原因は様々で、注意を守れば食べられる場合も少なくありません。 必ずしも食事を中止しなくてはならないというわけではありませんので、主治医やセラピストによく相談してみることが大切です。
嚥下障害の疑いがあるがどこで誰にみてもらえばよいか
当グループでしたら、まずは島津乃荘 機能訓練指導員 か、 戸嶋病院リハビリテーション科 のセラピストまでご相談下さい。 ご本人の状態に合わせた適切な方法を探していきましょう。