2017年06月の記事

ケアマネ学習会は、幅広い分野の知識を得ることでサービスの質向上を図ろうと、 ケアプラン ほっと郡元 が主体となって 毎週実施している研究会です(これまでの実施内容一覧を見る »ケアマネ学習会に関するブログ記事を見る »

6月6日のケアマネ学習会では、 4月18日に行ったケアマネ学習会 「食事摂取に関するフォーマルサービス」 で紹介した 在宅の方への訪問栄養食事指導において、咀嚼・嚥下力の低下した方向けに 市販の介護食を取り入れた献立を、実際に食べて体験してみました。

在宅介護における食事の準備には多くの課題があります。

  • 介護者の調理技術
  • 介護食に関する知識不足
  • 調理道具
  • 調理工程の複雑化による介護者の疲弊
  • など...

しかし、市販の介護食を上手に活用することで、介護者の負担を軽減しつつ、安全で、見た目にも「食事らしい」食事を実現できます。

今回は、介護食分類の1つであるユニバーサルデザインフード(UDF)の 「区分1(容易にかめる)」と「区分2(歯ぐきでつぶせる)」の牛丼と酢豚丼、栄養強化ゼリーを使って、 実際にどのような食感、味、物性があり、調理工程はどうなのかを体験しました。
市販の介護食-1

味は十分で、ご飯も歯ぐきでつぶすことができます。酢豚の肉は、見た目は肉そのものでありながら食べると弱い力でほぐれていく状態で、 入れ歯がない方や咀嚼力が弱い方でも安全に食べることができると感じました。

栄養強化ゼリーは、各種ミネラルやビタミンが強化されたもので、摂食嚥下リハビリテーション学会分類における「0j:嚥下訓練食品」に相当します。 たんぱく質を含まないことから仮に誤嚥しても肺炎を発症するリスクが低く、 咀嚼をせずに飲み込んでも咽頭から食道にかけて自然に溶けていきました。
市販の介護食-2

その後、これらの介護食について、「学会分類と各種介護食分類との対照表」及び、 島津乃荘 管理栄養士 作成の 「学会分類と 島津乃荘戸嶋病院 の食事形態との対照表」を活用し、 学会分類ではどの形態になるかや、対象となる利用者様像を確認しました。

市販の介護食はドラッグストアでも手に入るもので、在宅介護で手軽に使うことができます。 介護者が息抜きをしたい時や時間がない時、もう一品追加したい時など、上手に導入していけば大変有用なものであることが学習できました。