2020年03月の記事

今回の摂食嚥下勉強会 は、 「口腔内乾燥状態を体験してみることで口腔内湿潤の重要性を知る」がテーマです。 口腔内乾燥状態は、オブラートを舌や口蓋、頬につけて再現します。

オブラートを口にいれた状態で、まずは会話をしてみました。

  • しゃべりづらい
  • 唾液が出なくて言葉を発しにくかった
  • 唾液が分泌されるにしたがって会話できるようになった
口渇状態体験の様子-1

口腔内乾燥状態で含水量が少なめの主食や副菜を食べてみました。

  • 口の中に米飯がはりついて咀嚼をしてもまとまらず、まったく飲み込めない
  • 副菜の野菜の水分でやっと咀嚼ができた
  • 噛むことが難しいほど口腔内に食べ物がはりつく
  • 味がわかりづらい
口渇状態体験の様子-2

口をゆすいで唾液分泌させた状態で、含水量が少なめの主食や副菜をもう一度食べてみました。

  • 咀嚼をしているうちに食べ物がまとまるのを感じた
  • 咀嚼する度に食塊形成されるのがわかり、なによりも食物の味がよく分かった
  • 普通の状態で食べる事で初めて乾燥状態のときは味がしなかったんだと気が付いた
  • スムーズに食べることができ、水分が大事だと感じた
口渇状態体験の様子-3

もう一度口腔内乾燥状態にし、市販のゼリー(A)と経口摂取を始める第一段階に使用するゼリー(B)を食べ比べてみました。

  • ゼリーは両方とも飲み込みやすい
  • 口腔内で食物を移動できるので、嚥下までがスムーズだった
  • ゼリー(A)はのど越しがよくのみこめるが、口腔内が潤うことはなかった。
  • ゼリー(B)は2口目、3口目となると口腔内全体が潤ってよかった。
  • ゼリー(A)は飲み込みやすく口腔内をクリアにできるが、ゼリー(B)と比較すると1口での潤い方が違った。
口渇状態体験の様子-4

食事介助は、食事できる環境を整えた上で食べていただく順番にも気を使っていますが、 実際に口渇状態のまま介助される体験をしてみると、いかに危険で不快なことなのかを強く実感しました。

今後も、患者様、利用者様の目線に立った支援ができるよう努めていきたいと思います。