第4回目となる摂食嚥下勉強会は、2月17日(金)に行われました (第3回の様子)。
今回のテーマは「嚥下調整食の物性と動態、介助時の注意点」で、 島津乃荘 の管理栄養士が担当しました。
食事を口から食べることを継続していく上では「摂食嚥下機能の低下」が障害となりますが、 管理栄養士は日常的に調理師と協力して利用者様お一人お一人に合わせた食形態の食事をご提供することで、 摂食嚥下障害があっても口から安全に食べられるように工夫しています。
その食形態が摂食嚥下リハビリテーション学会分類ではどのレベルに相当し、 各分類コードの形態や物性にはどのような目的と特徴があるのかを学びました。
また、摂食嚥下障害の病態別での食物の物性ごとの誤嚥リスクについても学び、 単純に粘性を強めて流動を遅くすれば誤嚥リスクが減るわけではないことも学びました。
参加した職員からは、今回の勉強会を通じて他の施設で不適切な食事提供が行われていることに気付き、 更にその原因と改善方法も学んだので、早速 情報を提供したいとの声があがりました。
勉強会の後には、学会分類のとろみ基準に沿ってに白湯にとろみをつける工程を実際に体験し、 とろみ剤によって添加量が異なること、添加してすぐには効果が発現しないこと、 分類ごとのとろみがどのような物性になるのか、など、すぐにでも介護・看護の現場で活かすことができる知識を得ました。
介護・看護の現場で行われているケアの状況を多職種から聞くと、 食事の専門家である栄養部門の職員にとっては常識的なことであっても、 直接ケアに携わっている看護職員や介護職員の間で受け継がれてきた経験とは異なる事が原因で、 不適切な食事提供が行われる場合があるということも分かってきました。
今後は、当グループ内の 戸嶋病院 や 島津乃荘 で 対応していくのは当然ながら、 地域で連携する病院や施設、在宅介護・在宅看護 の現場へも「正しい食事提供に関する情報」を発信していく必要性があると感じました。